DCコミックスの実写映画『ジャスティス・リーグ』のあらすじ&感想です。
『ジャスティス・リーグ』(2017)
◎あらすじ・結末
スーパーマンを失った地球にマザーボックス奪還を狙う破滅の使者であるステッペンウルフが襲来。彼は無数のパラデーモンを従えて3つのマザーボックスを探し出すため、アマゾンの女戦士が住まう島・セミッシラと太古の昔に沈んで今は海底で栄えている海底都市アトランティスを襲います。それぞれに保管されたマザーボックスは抵抗も虚しく次々に奪われ、その知らせを受けたダイアナ(ワンダーウーマン)とアーサー(アクアマン)は世界の危機を察しました。
ブルース・ウェイン(バットマン)はゴッサムを襲うパラデーモンの存在を知ってダイアナと協力。アーサーとビクター・ストーン(サイボーグ)にも協力を仰ぐが返事は芳しくありません。そしてウェインはバリー・アレン(フラッシュ)にも声を掛けると彼は喜んで協力すると言いました。その後、もう一つのマザーボックスが保管されていたSTARラボが襲われ、そこで働いていたビクターの父親が危険に…ビクターはウェインたちと協力し、囚われた人たちを助けます。途中、アーサーの助けもあってステッペンウルフを退けたウェインたちはバットケイブに集まりました。そこでビクターは「マザーボックスは強力なエネルギーの塊であり自分を生き返した」と語り、ウェインは同じようにスーパーマンを生き返すことを提案。しかし、ダイアナは反対して言い争いになるが、ビクターはスーパーマンなら可能だと言う計算を導き出します。
5人はクリプトンの宇宙船を収めた研究施設であるSTARラボへ行き、ジェネシスチェンバーを使ってスーパーマンを復活させます。バリーの力もあってスーパーマンを無事に蘇生したかと思われましたが…彼は記憶の混乱に見舞われ、ウェインたちは襲われてしまうのです。その最中にマザーボックスはステッペンウルフに奪われてしまいました。
ステッペンウルフはその昔、地球に訪れて人間と神たちに敗北し撃退された際に人と神の同盟関係が崩れたときに戻ってくると言い残して地球を去りました。スーパーマンが死んだことで恐怖や不安に包まれた地球に宣言通り戻ってきたステッペンウルフはマザーボックスを手にし、地球を暗黒の世界へと変えて自らも神の1柱になろうと画策するのです。そうした中でようやく3つのマザーボックスを入手し、ロシアの廃棄された原子炉にて一つにしようとするステッペンウルフ。そこへ向かうウェインたち5人を待っていたのは変貌した街と空を覆いつくすように群がるパラデーモンの姿でした。
囮役を買ってでたウェインは単独で敵を引きつけて仲間をマザーボックスへ向かわせようとしますが、誰もウェインを見捨てずに協力して進むのです。互いに助け合いマザーボックスまでやってきた彼らの前に立ち塞がるステッペンウルフでしたが、そこに自身を取り戻したスーパーマンが駆け付け圧倒的な力で退けるとビクターと共にマザーボックスの分離に成功します。計画を妨害されて激怒するステッペンウルフでしたが自慢の斧を折られ、追い詰められると手下であるパラデーモンに恐怖を嗅ぎつけられて別の次元へ転送されるのです。世界の危機は去し、各々はそれぞれの道を歩むのでした。
◎感想
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に引き続き、スーパーマンやバットマン、そしてワンダーウーマンが活躍を見せてくれましたね。特にバットマンことブルース・ウェインとワンダーウーマンことダイアナの協力から始まり、一緒に仲間を集めようとするのがワクワクさせられました。チームをまとめようとしたり、リーダーシップをとるカリスマ性を感じさせるのも見どころです。
映画の後半で蘇るスーパーマンが恋人であるロイスと再会して穏やかな表情を浮かべるのが印象的。みんなが束になっても敵わないステッペンウルフを相手に3回の攻撃でノックダウンさせると言う圧倒的な強さも流石でした。
それでは、仲間になる人たちの魅力なども見ていきましょう。
フラッシュ
フラッシュことバリー・アレンはスピードフォ―スという力を使い超高速で移動することができます。稲光をまとって走っている時は周囲の景色は逆にゆっくりと動き、バリーだけが素早く動けてその演出がカッコ良かったですね。また、バリーが止まった時に摩擦で起きた白い煙が立ち上る姿も見逃せません。
本人曰くテンポが人と違うらしく、度々とぼけたセリフや行動が見られるためムードメーカーになっていたのも魅力でしょう。また、戦いは苦手であるにも関わらず、誰かを助けるためには危険を顧みず行動する優しい心を持った青年だと感じさせました。
アクアマン
アクアマンであるアーサー・カーリーはアトランティスの女王と人間のハーフでしたが人間を助けることに専念していました。そのため、ウェインが会いに行った際には周りの人から信頼されている様子が見受けられます。そんなアーサーは豪快な性格で、アクションにもそのパワフルさが表れていたのが見どころ。肉弾戦や武器であるトライデントを使った攻撃は次々と敵をなぎ倒し、押し寄せる濁流をせき止めてみせるのです。一方で、優しい心を持っていて臆病な一面もあることがダイアナのヘスティアの縄で暴露されるワンシーンも心に残りました。
サイボーグ
サイボーグであるビクター・ストーンは事故で瀕死になった命を繋ぎ止めるためにチェンジエンジンを使いました。実はそれがマザーボックスだったのですが、その力が強かったこともあり自らもコントロールできない機械の身体になったという設定が興味深いです。生まれ変わった機械の身体は時間の経過と共にアップデートされていき、ネットワークや機械などの電子技術全般へのアクセスにとどまらず空も飛べるようになっていくのです。その中でも特に驚いたのは、敵を目の前にした際に腕が銃火器になったシーンですね。ビクターの意思に関わらず、そうした変化をもたらすのでハラハラさせられました。また、堅物のようにみえて歳の近いバリーとの間の抜けたやり取りをして見せたりと意外な面も見せてくれるのが魅力でした。
登場人物たちが個々に戦う単独の映画作品は多い中、全員が協力して一つの敵に挑むというストーリーが特に惹かれましたね。各々の特徴も良く表れており、戦いなどに見入る映画だと思いました。