ホラー映画の鬼才といわれるサム・ライミ。映画監督、映画プロデューサー、脚本家でもある彼は、『死霊のはらわた』でスプラッターホラーの火付け役となり、『スパイダーマン』（０２～０７）３部作で世界的な大成功を収めた。多彩なジャンルに挑戦してきた彼の代表作をご紹介♪
『死霊のはらわた』（１９８１）
スプラッター・ホラーの金字塔と言われる作品。サム・ライミのデビュー作でもある。低予算で製作された自主製作映画です。
５人の若者が森の中にある山小屋を訪れ、そこの地下で不気味な書物「死者の書」とテープレコーダーを見つけてしまう。それによって悪霊を解き放ってしまい、1人ずつ死霊と化していく。
血が激しく飛沫し、脳髄が飛び散り、人間破壊描写をこれでもかとみせつけてくる。手持ちのカメラで撮影されたこの作品は、強い臨場感を見る側に与えてくれる。疾走感溢れるカメラワークであり、リアリティがある映像が恐怖を煽ってきます。あまりの恐怖に笑ってしまう人がいるほど、グロテスクなだけでなくユーモラスな部分もあり、まさに新感覚のパワフルホラーです。２０１３年にリメイクされておりそちらの方が僕は好みかな。
『スペル』（２００９）
銀行員のクリスティンは、昇進を控えていたところ、老婆が不動産のローンの延長を頼みにきたため断固拒否する。その夜、駐車場で老婆に襲われたクリスティンは呪文のような言葉を浴びせられる。それからクリスティンの廻りで不快な現象が起き始める。
老婆の逆恨みです。ヒロインからしてみれば”振り返ればババァがいる”状態。いきなり駐車場で待ち伏せされファイトとなり、入れ歯で噛みつこうとするわ、ゲロをぶちまけるわでたまったもんじゃない。中々グロテスクなシーンもあるもののブラックユーモアが効いていて映画作品としてどこまで”ぶっ飛べるか”に挑戦したハードボイルドな作品だ。
『ドント・ブリーズ』（２０１６）
親と離れ街を出るための逃走資金が必要だったロッキー。恋人と友人とで大金を持っていると噂されてる盲目の老人宅へ忍び込む。ところが、この老人は、目は見えないがどんな音も逃さない異常な聴覚を持っていた。そして、怪しげな地下室へと辿り着いた彼らがみたものは・・・。
異常なババァの次は異常なジジィの登場だ。このジジィ、実は退役軍人で目が見えなくともかなりの強さをほこる。まぁ強盗に入ったやつらが悪いので殺されても文句は言えないだろうけど、ジジィもジジィでかなり異常な奴だった。このジジィの人物造形があるからこそ一際恐怖を駆り立てられる。やっぱり一番怖いのは人間か・・・。
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『ポゼッション』（２０１３）
妻と離婚し、週末になると２人の娘と過ごすクライド。ある日、アンティークの木箱を購入してから次女エミリーに異変が・・・。エミリーは箱に異常な執着心を示し、性格が凶暴になっていった。クライドは調査に乗り出すが、すでに遅くエミリーには”何か”がとり憑いていた。
ユダヤ民話に伝わる邪悪な存在「ディビューク」を封印したという箱。実は、この箱は実在するらしく大手オークションサイト「eBay」に出品され、超常現象や都市伝説の研究家の間で話題になった。そこから着想を得たのでストーリー自体はフィクションだ。斬新な設定はないものの古典的なホラーで充分楽しませてくれる。
この手の映画全般に言えるケド、子役が可愛くて演技が上手いから余計に物語に引き込まれるよね。
『クロールー凶暴領域ー』（２０１９）
大学の競泳選手のヘイリーは、疎遠になってた父が巨大ハリケーンに襲われたフロリダで連絡が取れなくなったため父を探しに実家へと戻ってきたヘイリー。地下室で父を発見したものの、そこには動物園から逃げ出した大量のワニが・・・。ワニの巣窟となってしまった家から負傷してる父とともに脱出を図るヘイリーだが・・・。
アニマルホラーの筆頭と言えばジョーズだが、ワニはサメほど映画作品が作られていない。なのでこれからはワニじゃんってな具合でライミが製作を担当した・・・ハズ。サバイバルパニックだけどテーマは親子愛であり、巨大ハリケーンが襲ってくる中、ワニまで襲ってきて２人で力を合わせて脱出しようとする人間ドラマが最大の魅力だね。
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