DCコミックスの実写映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のあらすじ紹介&感想です。
『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(字幕版)
バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(吹替版)
◎あらすじ・結末
メトロポリスで起きたスーパーマンとゾッド将軍の戦いは大きな被害をもたらし、多くの人々に深い悲しみと苦痛を与えました。バットマンとして長年活動してきたブルース・ウェインは壊滅した都市の姿を目の当たりにし危機感を募らせます。
それから時は経ち、危険な戦地で取材を敢行する記者ロイス・レインはスーパーマンに命を救われます。しかし、スーパーマンが原因で周囲の村に被害が及んだことに世間から声があがりました。これが波紋を呼び、かつてのメトロポリスの惨事を引き起こしたことを正式に裁くこととなり、判事に呼ばれるスーパーマン…すると被害者の1人が車椅子に爆弾を隠して会場ごと爆破する事件を起こすのでした。この事件の裏には大きな力を持つ存在に危機感と敵対心を強く持つレックス・ルーサーの姿があったのです。
発端となった戦地で使われた弾丸がレックスコープの物であることを突き止めたロイスでしたが、ルーサーに捕まってしまい高層ビルから突き落とされます。間一髪、スーパーマンが彼女を助け、怒りに燃えるスーパーマンはルーサーに詰め寄りました。すると彼はスーパーマンの育ての親であるマーサ・ケントを人質にしており、助けたければバットマンを倒せと言うのです。
スーパーマンの存在に懐疑的だったバットマンは、スーパーマンが現れた際に戦いを拒みませんでした。説得を試みるスーパーマンに対し、バットマンはクリプトン人の弱点であるクリプトナイトを駆使して追い詰め、命を奪うためにクリプトナイトで作られた槍を突きつけようとします。すると、負けを認めたスーパーマンは、せめて母のマーサを救って欲しいと懇願したことでバットマンは動揺。彼は子供の頃、母を失くしておりその母と同じ名前だったからです。スーパーマンが得体の知れない異星人などではなく、自分と同じ1人の人間であることを知って戦いを止めるのでした。
バットマンはマーサを必ず救い出すと約束し、スーパーマンはルーサーの元へ向かいます。するとルーサーはゾッド将軍の死体を改造したドゥームズデイをけしかけ、攻撃を受ける度に強化されるドゥームズデイにスーパーマンは苦戦を余儀なくされました。そこにマーサを助け出したバットマンが参戦しますが倒すための有効な手段を見出せず…そんな彼らの元にワンダーウーマンが現れてさらなる死闘を繰り広げます。スーパーマンはクリプトナイトの槍を使ってドゥームズデイを貫きますが、弱体化していたスーパーマンもまた命を落としてしまいました。
クラーク・ケントとして葬られた彼の墓前でブルースとダイアナは新たな仲間たちを探し、協力して世界を守ることを誓って歩いていくのでした。
◎感想
・それぞれの考えに注目
前作『マン・オブ・スティール』のラストバトルの裏で逃げ惑う人々から見たクリプトン人は、人知の及ばない存在…あらゆる物を破壊し、誰にも止めることができない存在でしたね。だからこそブルース・ウェインは力のない人間側に立って知恵を使って戦うことはとても自然な流れに感じました。
ウェインがメトロポリスの崩壊で子供の母親が生死不明の場に居合せたことなどを経て、悲観的な考えに引きずられてどんどん深みにはまっていく様子は心が痛みます。やがて直接対決になる一方でスーパーマンはどこにでも現れて人を助ける一方で、正体を表さないことから神秘性が増す反面、人間性が感じ取りづらくなってしまうという表現が丁寧に作られていると思いました。
2人が直接対決するように裏で糸を引いていたレックス・ルーサーはブルースと同じ考えで動いていると思いきや、目的のために人間をいくらでも犠牲にするという誰よりも危険な男でした。
レックス・ルーサーは密かに超人(メタヒューマン)のことを探り、そこにはワンダーウーマンことダイアナの情報もありました。バットマンはルーサーを怪しんで情報を盗んだ際に彼女のことを知り、戦時中から密かに活躍していたダイアナは正体を隠そうと考えるのです。身を隠そうとした彼女ですが、ドゥームズデイが暴れるニュースを見て助けに来てくれたという展開は熱いと思いましたね。
・戦いが凄まじい
バットマンのアクションの中でもバットモービル(改造された車)で敵を追う際のシーンは見ものでしょう。体当たりをすることで車を吹き飛ばしたり、ワイヤーで大きなものを引き付けたりし、敵の銃弾を通さないだけでなく丈夫なボディはどこでも走りぬけるのがクールでした。バットマン自身も自ら作った武器を使い、闇に乗じて攻撃するのも見どころです。
スーパーマンは今回も派手な戦いを繰り広げますが、対するドゥームズデイは彼以上に無敵…受けた攻撃を力に変えてしまい、強くなる一方でした。ドゥームズデイの放つ衝撃波は凄まじく、知性の無いモンスターのように暴れまわるためハラハラさせられます。ワンダーウーマンとスーパーマンが攻撃を同時に仕掛けても引くことなく、身体を変形させていく姿は恐ろしい…最後はワンダーウーマンがヘスティアの縄で拘束し、バットマンがクリプトナイトの効果を発揮するガス弾を撃ち、スーパーマンが止めを刺すという協力体制が良かったです。
『ワンダーウーマン』のダイアナがバットマンたちと共闘していたのが見どころでしたね。彼女は『ジャスティスリーグ』でも活躍し、今作で少しだけ姿を現したフラッシュや、『アクアマン』のアーサーと共に戦うので見逃せませんね。