DCコミックスの実写映画『ワンダーウーマン』シリーズの感想＆あらすじです。
ワンダーウーマン（２０１７）
◎あらすじ・結末
アステリアの戦士であるアマゾン族は女性だけの一族であり、常に鍛錬を重ねながら暮らしていました。地球上にある人から見えない島にある日、軍人のスティーブ・トレバーが島に不時着して彼を追ってきた飛行機と軍人をアマゾン族が撃退。ダイアナはスティーブから外の世界で第一次世界大戦の最中であることを知り、宿敵であるアレスが暗躍していると考えました。そうしてダイアナはスティーブと共に島を出て、ロンドンに到着。ダイアナは初めて見る街や人に興味を惹かれる中、スティーブは上官に「ドイツ軍の毒ガス兵器を止めなければならない」と報告します。
しかし、軍は動かせないと言われたことで、スティーブは3人の仲間を集めてダイアナと共に戦線へ。ダイアナは懸命に人を守り、途中の町でドイツ軍に責められていた民を救ってその日はゆっくり休みます。その後、敵地に乗り込んで基地にあった毒ガスの輸送機を見つけたスティーブは、飛行機に乗って上空で爆発させることで世界を守りました。ダイアナは彼の死を嘆き、暗躍していたアレスを見つけて死闘を繰り広げた末に勝利を収めます。
それから100年が経過し、現代でダイアナはブルース・ウェインから一枚の写真を受け取ります。スティーブや仲間と共に撮った写真を懐かしく思い、スティーブへの思いをはせるダイアナ…彼女はヒーローとして公な活動はしていませんでしたが、新たな戦いに身を投じることになります。
◎感想
・演出や展開に注目
(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
映画の序盤でダイアナが過ごしている島では、屈強な戦士たちの訓練やステキな自然の風景が印象に残りましたね。その後の第一次世界大戦中のロンドンの街並みとの対比が良く表れており、ダイアナが物珍しそうにしている姿も良かったです。
戦地に赴いてからはダイアナとスティーブの関係が深まっていくというロマンスの展開や、3人の個性的な仲間も見どころでしょう。多くの言語を話せる陽気なサミーア、狙撃手として素晴らしい腕前を最後に見せてくれたチャーリー、ネイティブ・アメリカンの酋長の3人との掛け合いがおもしろかったです。
・アクションが凄い！
(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
ダイアナが剣と盾、そして伸縮自在な投げ縄である「ヘスティアの縄」を使ってダイナミックなアクションを見せます。大勢の軍人を相手に一歩も引かず、武器を振り回したり素早い動きで敵を掃討するシーンが見どころでしょう。
そして、ダイアナの腕を覆う腕輪は銃弾を跳ね返すほどの丈夫な防具です。弾を見切って腕輪を構えるダイアナも凄いと思いつつ、アレスとの戦いの際には腕を交差させることで強大な衝撃波を発生させるのも見ものでした。この技は『バットマンvsスーパーマン』などの作品でも披露するため注目ですね。アレスとの死闘や仲間への思いを爆発させる様が凄かったです。
ワンダーウーマン１９８４（２０２０）
◎あらすじ・結末
ダイアナは子供の頃、母から「世界を変える日が必ず来る」といわれて真実を大切にするよう言われていました。そのことを思い出す事件が起きたのは1984年です。彼女はワンダーウーマンとしてモールの宝石店を襲った強盗を捕えました。事件時に押収された闇取引用の宝石を鑑定するため、スミソニアン博物館のバーバラに依頼がきます。同じく博物館の職員だったダイアナは一つの石を手に取り、石に書かれた古代の文字を読むと願いを一つ叶えるとのこと…ダイアナは戦死したスティーブに会いたいと願いつつも石を置くのでした。
すると、他者の姿を借りたスティーブが現れて喜ぶダイアナ。一方で石に隠された秘密を調べるとそれは邪悪な神が作ったモノだとわかります。願いを叶える代わりに大事なものを失うと知って石を持ち去ったマックスの行方を追いました。
マックスは市民のための石油会社の社長を務める中、経営難で危機に陥っており長年探していた石を見つけます。彼は自身を「願いを叶える石」にして欲しいという内容を告げると、石は砕け散りました。彼は人々の願いを叶えられるようになり、それを利用して市場の半分の石油を独占。衛星を利用して世界中の人間の願いを叶えようとします。このままでは世界が滅びると察したダイアナは、自身の願いを取り消してマックスを止めました。
スティーブを再び失ったダイアナは、世界に危機が訪れるその日まで人々の中で隠れつつも生きていきます。
◎感想
・再会と別れが切なくも見入ってしまう物語
(C)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
願いを叶える石により、ダイアナはスティーブと再会した代わりにスーパーパワーを失ってしまう…そのため、スティーブとの別れを再度経験せねばならないという展開は切なさを感じさせましたね。最愛のスティーブだけは失いたくないと思いながらも、「世界が君を待っている」と言われて世界を救うという決断は、ヒーローとしての生き様を見せてくれました。『ジャスティス・リーグ』でダイアナが時折見せる悲しそうな表情は、そうしたスティーブとの別れがあったからこそだと思います。
・敵とダイアナの強さ
(C)2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
そんなダイアナの苦心を知らなかったバーバラは美しくて強いダイアナに憧れ、「ダイアナのようになりたい」と石に願ったことで彼女と敵対するのも胸が痛みました。代償として優しく明るいというバーバラの良さを失い、獣のような姿に変容してダイアナを襲う姿にはハラハラさせられます。2人の戦いに緊張感を感じつつ、黄金の鎧を身にまとって守備を固めるダイアナはカッコ良かったと思いました。厳しい戦いの中でも諦めないダイアナを応援したくなるワンシーンです。
そうして彼女がマックスを止める際には、ヘスティアの縄を駆使していたのも印象深いです。相手に真実を話させる力を持つヘスティアの縄により、願い事を念じた世界中の人たちが本当の気持ちを気付いていってマックスも息子のために願いを取り消すという展開が感動的でした。
ダイアナの決意や緩急のある展開の変化が今作の見どころと言えるでしょう。
